1. 90年代フレンチティップがカムバック!

プラバル・グルン。
Photo: Shutterstock

世界中で大人気を博したコメディドラマ「フレンズ」が復活したり、Netflixで『クルーエル・インテンションズ』(1999年)が配信されるなど、今、90年代のスタイルが大々的にリバイバルを果たしている。それは2020年春夏コレクションのランウェイで披露された、ブラウンのリップカラーや小さなフレームのマトリックス風サングラス、ウエストポーチといった要素からも感じ取れた。

ではネイルはどうかというと、今まさに、90年代的なフレンチネイルに再び熱視線が集まっている。しかし当時と明らかに異なるのは、かつてのスクエアなデザインは影を潜めているということ。ニューヨークを拠点にするネイルアーティストで、今季のオスカー・デ・ラ・レンタ(OSCAR DE LA RENTA)、プラバル・グルン(PRABAL GURUNG)、ジェレミー・スコット(JEREMY SCOTT)のショーのネイルを監修したミス・ポップは、次のように説明する。

「2020年的フレンチネイルの新潮流は、かつての分厚く塗ったクラシックなピンクとホワイトのスタイルとは全く違います。自爪のクリアな色を残したネガティブスペースのトレンドの延長線として、決まりきったカラーではなく、実に多様な色が用いられているという点です」

と言いつつも、ミス・ポップがプラバル・グルンで取り入れたのは、伝統的なフレンチティップに最も近いデザイン。

「意識したのは、クラシックなフレンチティップを採用し、ネガティブスペースを用いながら現代的に仕上げること。ゾーヤ(ZOYA)のマニキュアを使って、極薄の美しい曲線のホワイトで爪本来の白い部分をカバーし、ネイルベッドを長くしました」

オスカー・デ・ラ・レンタ。
Photo: Peter White/Getty Images

一方、カリブのビーチに着想を得たオスカー・デ・ラ・レンタのコレクションでは、通常ホワイトを塗る爪の先に、ゾーヤの「Arizona」や「Sawyer」、そして「Laurel」などの色を用いて、太陽のように明るいスタイルをつくりだした。

「私はこれを『キューバン・フレンチ』と呼んでいます。私の故郷のマイアミでも、とても人気のデザインです」

2. ポップかつ退廃的な「ユーフォリア」ワールド。

ハウス オブ ホランド。
Photo: Courtesy of House of Holand

HBOのドラマシリーズ「ユーフォリア/EUPHORIA」が今年6月に公開されて以降、劇中の登場人物たちが纏うファッションがストリートを席巻中だ。しかし、ファッション以上にこのドラマを特徴づけているのが、登場人物たちのカラフルなメイク。アイシャドウやラインストーンを大胆に用いたメイクは、アメリカのティーンたちを熱狂させている。

2020年春夏コレクションの大胆な遊び心に満ちたルックの数々に「ユーフォリア」の影響を色濃く感じたが、それはネイルにも明らかだった。第一線で活躍するトップのネイルアーティストたちによって、さまざまな形のラインストーンやヴィヴィッドな色づかい、グリッター、そしてネイルアートに、ユーフォリア的美意識が散りばめられていた。

ローラン・ムレ(ROLAND MOURET)。
Photo: Luke Walker/BFC/Getty Images

ジュリアン・マクドナルド(JULIEN MACDONALD)。
Photo: John Phillips/BFC/Getty Image

ローラン・ムレ(ROLAND MOURET)では、世界的ネイルアーティストのマリアン・ニューマンによるストーンジュエリーと呼応するようなマーブル模様が印象的だった。ニューマンはまた、ジュリアン・マクドナルド(JULIEN MACDONALD)でメタリックカラーを用いることで、光の反射効果を巧みに取り入れていた。

また、ハウス オブ ホランド(HOUSE OF HOLAND)を手がけたジェニ・ドレイパーは、OPIのネイルカラーを使って、グリッターアイメイクとマッチした光沢のあるブルーのネイルに仕上げた。マーク・ジェイコブスのお気に入りネイリスト、メイ・カワジリは、ハートや蝶、タータンチェックといったモチーフを、ラインストーンを用いて描いていたのが印象的だった。

ミス・ポップは、ネイルカラーを楽しむ上で「ユーフォリア」的なスタンスは非常に重要だと語る。

「おすすめの色は? と聞かれたら、その人自身がもっとも魅力を感じ、楽しめるような色を塗るようアドバイスします。なぜなら、ネイルカラーはタトゥーとは異なり、1、2週間しか持ちません。だからこそ、思い切り自分らしい色やデザインに挑戦できるのです」

マーク・ジェイコブス。
Photo: Peter White/FilmMagic/Getty Images

3. チャーミングなナチュラルネイル。

ケイト・スペード ニューヨーク。
Photo: Victor VIRGILE/Gamma Rapho/Getty Images

ノー・メイクアップ支持者が増えると同時に、健康的で丁寧に手入れされたネイルも強く支持されるようになっている。

ケイト・スペード ニューヨーク(KATE SPADE NEW YORK)の2020年春夏コレクションで、ネイルアーティストのリタ・リマークは、短く丸い輪郭に整えた爪先にエッシー(ESSIE)の「Mademoiselle」を塗り、あとはベースコートとトップコートのみでナチュラルに仕上げた。この「Mademoiselle」というカラーは、あらゆる肌のトーンに自然に溶け込むため、長年、ファッションウィークのバックステージでは必須アイテムになっている。

またリマークは、ヴェロニカ・ベアード(VERONICA BEARD)のプレゼンテーションでは手法を変え、より長くレトロなシェイプにヌードピンクをのせて、シンプルかつエレガントに表現していた。

ヴェロニカ・ベアード。
Photo: Dia Dipasupil/Getty Images

シモーネ・ロシャ。
Photo: Victor VIRGILE/Getty Images

シモーネ・ロシャ(SIMONE ROCHA)のコレクションで、短くカットした爪にキュアバザー(KURE BAZAAR)の「French Rose」を塗り、小さいパールを添えたのは、ロンドンをベースに活動するネイルアーティストのアマ・クワシ。一見シンプルな工程に見えるが、だからこそテクニックが必要となるデザインでもある。仕上げと同じくらい丁寧な準備あってこそ、なのだ。ミス・ポップはこうアドバイスする。

「爪とその付け根の肌は、キューティクルオイルで絶えず保湿しましょう。爪を強く、また、ささくれを防いでくれます。私はいつも、重要な会議の前に少量のキューティクルオイルを塗ってフレッシュで艶のあるフレッシュなルックに見えるようにり、ネイルサロンでマニキュアを塗ったばかりに見えるようにしています」

4. 挑発的な尖ったロングタイプ。

トム フォード。
Photo: GoRunway

多種多様なインスピレーションに彩られた今シーズンのネイルデザインの中でも、もっとも挑発的と言えるのが、シャープに整えられたロングなネイルだ。とりわけ印象的だったのは、トム フォード(TOM FORD)のショーでメイ・カワジリが手がけた短剣のように尖ったフォルム。たとえ実用性とかけ離れていようとも、全身のスタイルにモードなエッジを加えてくれることは間違いない。

ハルパーン。
Photo: Jamie Stoker

長いネイルは、カラーやデザインをより自由に実験できるという利点がある。オスカー・デ・ラ・レンタ(OSCAR DE LA RENTA)が採用したヴィヴィッドなカラー、ジェレミー・スコット(JEREMY SCOTT)のサイケデリックな柄、そしてハルパーン(HALPERN)の独創的なデザインが、そのことを証明していると言えるだろう。

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